ブログ
第一章 北九州から世界を揺らす 振動源「ユーラス」の誕生と発展 5 揺すれば金になる 様々なユーラスの変わり種・用途
2025-08-01
[ユーラスとともに40年]
ユーラスは出荷数の50%近くが、 ばら売りで最終使用先がつかめていない状況が続いてきた。これは2次、3次の販売店が、顧客を奪われる心配から情報を公開していないことが大きな原因で、そのため例えば展示会などで、初めてユーラスを採用してくれている機械メーカに出会うということもしばしばあった。従って我々がはっきりつかんでいない用途も、まだかなりあるのではないかと思う。
まだユーラスが発展段階にあった昭和40年代の後半、さらに小形のユーラスを開発し、売り上げを伸ばそうと、関係者でブレーンストーミングを行ったことがあった。そのとき には100を超えるアイディアが出てきたが、残念ながらその内で、実際に開発して戦列に加わったものは殆どなかった。小形ユーラス分野は、家庭用電気器具に近いので、身近 な話題としては面白いが、単価が低いのでなかなか売り上げに貢献するまでは至っていな いのが実情である。それでも話題性のあるものは結構ある。私が聞いている範囲で、それらのいくつかを紹介してみよう。
まだユーラスが発展段階にあった昭和40年代の後半、さらに小形のユーラスを開発し、売り上げを伸ばそうと、関係者でブレーンストーミングを行ったことがあった。そのとき には100を超えるアイディアが出てきたが、残念ながらその内で、実際に開発して戦列に加わったものは殆どなかった。小形ユーラス分野は、家庭用電気器具に近いので、身近 な話題としては面白いが、単価が低いのでなかなか売り上げに貢献するまでは至っていな いのが実情である。それでも話題性のあるものは結構ある。私が聞いている範囲で、それらのいくつかを紹介してみよう。
<1-5挿話1> そんなに揺すって大丈夫? ラブホテルのベッドへの応用
少し変った用途として、ラブホテルのベッドに取り付けて、多様の振動モードを作り出すというものがあった。出荷数はかなりあったと思うが、少なくとも私の知っている範囲では、販売担当者も含めて、我々のグループの誰かが実際に試してみたということは聞いていない。ベッド用ユーラスには特殊な煎餅状のプリントモータを使用していたので、組み立てに思わぬコストがかかった。このような 「際物」は残念ながら長続きしないようである。
<1-5挿話2 > 起きろよ起きろ、早よ起きろ 夜勤者の目覚まし用に応用
面白い例として、鉄道乗務員の目覚ましに用に採用されかかったことがある。枕に小形のユーラスを仕込んで、時間が来るとスイッチが入り、隣に気づかれず本人だけを起こすというものである。現在の携帯電話のサイレント方式の先とも言えよう。 それまではエアー式のものが使われていて、時間が来るとエアー枕のエアーが抜けて知らせる方式だったが、枕を外して寝ていれば効果がなく、一回しか作用出来ないと言うことだった。枕をはずして寝てしまえば振動式でも同じだろうが、近くで揺れていればエアー式より起こす効果があったのだろう。しかし正式に採用されたかどうか聞いていない。話題だけに終わったようだ。
<1-5挿話3> 夢の架け橋の絆は強く 吊り橋の主ワイヤーの締固めに活躍
吊り橋は当然その主ワイヤーが生命で、これは素線を束ねてバインドし、最後にハンマーで叩いて締め固めて出来上がる。日照の最も影響の少ない早暁に、力自慢の屈強な男達が、危険な高所でハンマーを振って叩き固めて行くのは大変な重労働であったと聞いている。これをユーラスを使って締め堅めようという提案がM社からあり、九州工大での基礎テストを経て、最終的に本四架橋に採用された。この装置はその後オーバーホールして、そのまま日本のJV企業が取り組んだトルコの第2ボスポラス海峡大橋にも適用されたと聞いている。
本四架橋といえば、ここでは工事中の重量物運搬の安全管理用として、600トンのクレーン船に我々の商品であるカ計「マグネセル」 <9用語2>が使用された。
本四架橋といえば、ここでは工事中の重量物運搬の安全管理用として、600トンのクレーン船に我々の商品であるカ計「マグネセル」 <9用語2>が使用された。
<1-5挿話4 > 廻るのを見ていってんか! 大阪名物たこ焼き機への適用
最近は日本も飽食の時代にはいり、それと共に各地に特徴のある伝統の食文化が見直されてきている。関西のたこ焼きもその一つだろう。出来上がったたこ焼きは球形をしているが、最初に下の半球を焼き、それを回転させてその下にうまく残りの半球分の食材を加えて仕上げている。この回転のやり方は見ていて面白く、つい衝動的に買ってしまうことがある。その回転を促進するために、ユーラスを使用した業務用のたこ焼き機械が出来てそこそこに売れていると言う事である。ユーラスは業務用の器械にだけ取り付けられている。振動を与えると球状のたこ焼き半製品が回転し、均等に焼けると共に、見ている人が面白がると言った趣向のもので、所詮話題提供といったものであるようだ。